13. 中皮腫のセカンド・オピニオン

What is Mesothelioma?

 セカンド・オピニオンの目的は、現在治療をしている主治医以外の医師に相談して、「第2番目の意見をもらって、今後の治療方法を納得して決定する」ことです。

 胸膜中皮腫は、診断された時点で年齢や病気の進行度によって外科手術ができないことがあるうえ、エビデンスのある(科学的効果が認められている)抗がん剤の治療が2018年現在では1種類に限定されています。そのため病状によって、がん専門病院を受診しても、「残念ですが、エビデンスのある治療方法はないかもしれません。」と言われてしまうことがあります。また、唯一エビデンスのある抗がん剤の治療を受けても、その後に中皮腫が進行してしまう場合もあります。このような場合、医師から「過去にある程度効果があった第二の抗がん剤の治療をしますか?しかし、効果は絶対ではありません。」と提案されることがあります。こころなしか医師も少し自信なさげです。というのも治療効果が確約できない治療は、患者さんの生存期間や生活の質を損なう危険があるからです。抗がん剤を投与した方がいいのか、緩和ケア重視に方向転換した方がいいのかという判断は容易ではありません。このような難しい選択をしなくてはならない場合に、患者さんやご家族が納得して治療方法を選択できるよう、胸膜中皮腫の経験の多い医師に相談するのが、セカンド・オピニオンです。

<セカンド・オピニオンの受け方>

  1. 主治医から、紹介状と胸部CT等をCD=ROMでもらいましょう。
  2. 胸膜中皮腫の経験の多い医師のセカンド・オピニオン外来を予約しましょう。胸膜中皮腫の治療やセカンド・オピニオンの経験が豊かな医師は、HP等で調べられます。後述の中皮腫患者支援団体に相談するのもよいでしょう。
  3. いよいよセカンド・オピニオンのために受診します。

 相談にかかる時間はだいたい1時間弱で、病院によっては保険がきく場合もあります。「現在治療してくれている医師を信用していないようで、悪いのではないか?」と心配なさる必要はありません。多くの医師は、「セカンド・オピニオンに行って、納得して決めてほしい」と、思っています。セカンド・オピニオンを上手に利用して、納得のいく治療を選んでください。中皮腫のセカンド・オピニオンとして、医療法人社団ひらの亀戸ひまわり診療所で、毎週木曜日名取雄司医師が行っています(名取雄司、悪性胸膜中皮腫、患者本位の診断と的確な治療方針、部位別・がんの名医たち 別冊宝島、p83、2012)。

(本項目の文章は2018年8月段階の内容です。2018年9月以降の変化は反映していない場合がある点ご了承ください。)