建設アスベスト訴訟ニュース号外
2022年4月18日

The Construction-Asbestos Lawsuit News

2022年4月18日
建設アスベスト訴訟 東北初、国と和解

アスベストセンターの会員8人を含む10人(元労働者3人と遺族7人)が、建設現場でアスベストを吸い込み、中皮腫などの健康被害を受けたとして、国と建材メーカー12社に対し総額2億6950万円の損害賠償を求めていた「建設アスベスト東北訴訟」は、2022年4月18日、遺族原告7人(被災者ベースでは4人)と国の和解が仙台地裁で成立し、国が慰謝料など総額5720万円を支払うことが決定しました。

同様の訴訟では、最高裁が2021年5月に国の賠償責任を認める初めての判決を下し、原告・弁護団と基本合意書が取り交わされました。最高裁の統一判断を受けた基本合意書に基づく和解成立は、東北では初めてとなります。

一方、残る3人の元労働者については、国が「石綿ばく露期間が基準を満たさないことや除斥期間(損害が発生してから20年を経過すると損害賠償できないという民法の規定)を超過している」との主張を行っており、今後も訴訟が続きます。

和解後の会見で、弁護団の小野寺義象団長は、「今回の和解は一定の成果、遺族の皆さんにきちんと報告したい。残る3人の生存原告については、まだ和解が成立していない。国の言い分はいずれも不合理なものだ。和解成立を目指すが、国が和解しないのなら判決を勝ち取りにいく覚悟で臨む。」と話しました。

また、賠償責任を否定している建材メーカー12社との闘いも続きます。
弁護団の太田伸二事務局長は、「昨年の最高裁判決では、国だけでなく、建材メーカーについても賠償責任が明確に認められた。和解を拒むものではないが、判決となっても我々は一歩も引かない覚悟だ。」と今後も建材メーカーの責任を徹底追求する姿勢を改めて示しました。

アスベストセンターは、まだ国との和解が成立していない原告の和解もしくは勝訴、ならびに建材メーカーへの損害賠償請求訴訟について、今後も全力を挙げて支援していきます。

建設アスベスト東北訴訟

医療・健康相談員の
ご紹介

事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)

お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。

尾形海子


事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)

お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。

田口正俊


委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)

母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。