建設アスベスト訴訟ニュースNo.4
2021年1月28日号

The Construction-Asbestos Lawsuit News

緊急事態宣言を受け2月に予定していた法律相談会は延期し、電話相談にきりかえます


建設業で働き、石綿肺・中皮腫・石綿肺がん・びまん性胸膜肥厚等で労災認定されている方は、損害賠償請求することをおすすめします

  • 訴訟には労働基準監督署の「調査復命書」などが必要です。
  • ご遺族は遺産相続の手続き等が必要になります。

アスベストセンター会員の皆様、東京労働安全衛生センター相談者の皆様が、むずかしいと感じる証拠収集や事務手続きは、アスベストセンターを支援する弁護士が患者さんやご家族に代わって行います。

中皮腫・じん肺・アスベストセンターと東京労働安全衛生センターの両センタースタッフが、それを支援し、協力します。

アスベストセンター・東京安全センターの複数の会員さんが建設アスベスト訴訟に参加、提訴の準備を行っています。

8月26日
[ 建設アスベスト東北訴訟 ]  仙台地裁へ、アスベストセンター会員8名が提訴
9月19日
第1回関東地区相談会 4名の被災者(遺族)が訴訟準備中
11月15日
第2回関東地区相談会 6名の被災者(遺族)が訴訟準備中

電話相談をご希望の方にはアスベストセンター・東京安全センターからお電話いたします。

お問合せ先

電話:
080-8217-5022 (アスベストセンター担当:尾形・田口)
03-3683-9765 (東京安全センター担当:飯田)

FAX:
03-3683-9766 (二団体共通)

メール:
info@asbestos-center.jp (アスベストセンター)
center02@toshc.org(東京労働安全衛生センター)


建設アスベスト訴訟 最高裁は一人親方を含め国の損害賠償責任を認めました

アスベスト被害者救済に大きく前進

 これまで国の労働者への責任は共通的に認められていますが、高裁間で判断が分かれていたのは、一人親方への国の責任と石綿製造企業の責任を認めるか否かが大きな二点とされていました。12月14日、最高裁第一小法廷は、東京第一陣訴訟について高裁判決を不服とした国の上告を棄却し、規制を怠った国の責任を認めました。また、労働者だけでなく一人親方等に対する国の責任も認めました。最高裁で一人親方等も含めた国の責任が確定したことは、極めて画期的で、被害者救済を大きく前進させるものです。

建材メーカーの責任が認められる可能性があります

 2月25日に開くとした弁論で建材メーカーの責任を否定した東京高裁判決が見直される可能性が出てきました。

基金制度の実現を求めつつ、訴訟をおこす方向で取り組みを

 原告団は国に対して「建設工事従事者に対する石綿被害補償基金制度」の創設を求めています。これまで「全国トンネルじん肺根絶訴訟」、「大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟」でも国との和解が成立し、国と企業の拠出による救済基金制度の創設が求められてきましたが、現時点では実現が困難な状況にあります。これらの訴訟でも損害賠償を受けるためには、必ず提訴をしなければなりません。私たちとしては「救済基金制度」の実現に努力しつつも当面、提訴する方向での取り組みを会員の皆さんにお願いすることになります。

最高裁で確定した国の責任に関する主な判断内容

  1. 昭和50(1975)年10月1日以降、平成16(2004)年9月30日までの間に、
  2. 屋内での建築作業現場で働いていた方(一人親方・中小事業主等を含む)で、
  3. 石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水に罹患し、労災認定または石綿救済法認定を受けた被害者につき、
  4. 国の賠償責任を認める。国の賠償額は下記基準慰謝料額の3分1

<基準慰謝料額>

石綿肺(管理区分2・合併症あり)1,300万円/石綿肺(管理区分3・合併症あり)1,800万円
石綿肺(管理区分4)、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水2,200万円
石綿関連疾患による死亡:2,500万円

◎国の責任が認められた主な職種は以下のとおりです。

大工、内装工、電工、吹付工、左官工、塗装工、タイル工、配管工、ダクト工、空調設備工、鉄骨工、溶接工、ブロック工、保温工、鳶工、墨出し工、型枠大工、解体工、はつり工、築炉工、エレベーター工、サッシ工、シャッター工、電気保安工、現場監督

医療・健康相談員の
ご紹介

事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)

お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。

尾形海子


事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)

お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。

田口正俊


委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)

母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。