2015年の活動

Activities in 2015

このページには、アスベストセンターが過去に実施したイベントの告知ページなどを保存しています。これから開催されるイベントではないのでご注意ください。

2015年10月1日 胸膜中皮腫及び腹膜中皮腫に対する免疫療法薬の治験について

中皮腫・じん肺・アスベストセンター 医師 名取雄司

 胸膜中皮腫の治療と言えば、手術、抗がん剤、放射線療法、最後に免疫療法とされてきたが、本年10月から既に治療を受けた胸膜中皮腫と腹膜中皮腫に対する免疫療法薬の治験が開始されることとなった。治験の実施はアストラゼネカ株式会社で、治験する薬はtremelimumabと呼ばれる薬だ。ひとにはがん細胞を傷害するT細胞という免疫細胞があるが、tremelimumabは細胞傷害性T細胞を活性化する作用を通じて中皮腫を攻撃する。類似の免疫療法薬としてipilimumab(Yervoy)があり、海外で皮膚悪性黒色腫向けに市販され日本でも今年7月に製造販売の承認を取得した。

 Tremelimumabは、2009年から2012年までイタリアで中皮腫患者29名に投与、27か月の追跡で2名に著効を認め1年生存率48.3%、2年生存率36.7%であった。重篤な副作用として、激しい大腸炎と下痢2名、1名に肝障害が認められた(Calabro et al, Lancet Oncology 2013)。2013年から一次あるいは二次治療(手術および抗がん剤治療)で悪化がみられた患者さんに対し世界的治験が開始され500名規模となり、今回日本でも治験開始となった。

 治験に参加できる人は、一次治療としてペメトレキセド(商品名アリムタ)と白金製剤の併用療法後で病勢が進行した方、一定の活動能力があること、血液と肝機能・腎機能が一定程度あること等の人が対象とされており、治験が受けられない除外基準も複数定められている。全員が治験を受けられるとは限らないので、治験を希望する方は、まずは現在受診されている病院主治医からアストラゼネカ株式会社の窓口(電話:0120-189-115, Eメール: RD-clinical-information-Japan@astrazeneca.com )に連絡を取ってもらうようにお願いしていただきたい。

 現在受診されている病院主治医と十分相談後紹介状等をもって、治験が行われる全国10数病院へ受診して今回の対象か否か最終判断することとなる。中皮腫の治験を行う病院として、北海道、東京、神奈川、愛知、静岡、大阪、兵庫、岡山、広島、山口、愛媛が予定されている。治験中の数か月以上は治験病院が主な通院先となる可能性が高いので、現在の主治医とよく相談してほしい。

2015年6月11日 中皮腫・じん肺・アスベストセンター第13回総会

 亀戸事務所4階にて18時15分から、第13回中皮腫・じん肺・アスベストセンター総会を開催しました。総会での決定事項はこちら(PDF) をご覧下さい。

2015年3月29日 第2回東北アスベスト被害ホットライン・相談会

 中皮腫・じん肺・アスベストセンター東北は、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会(東北支部)と共催で、『第2回東北アスベスト被害ホットライン・相談会』を開催いたします。
日時:2015年3月29日(土)10時~16時
会場:仙台市市民活動サポートセンター 3階 研修室1
詳しくは、こちらをご覧ください。

2015年3月28日 東北地区 石綿関連疾患医療関係者向け講習会

 中皮腫・じん肺・アスベストセンター東北は、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会(東北支部)と共催で、『東北地区 石綿関連疾患医療関係者向け講習会』を開催いたします。
日時:2015年3月28日(土)13時~16時
会場:フォレスト仙台(宮城県教育会館)2階 第5会議室
講習会プログラムと申込み方法については、こちらをご覧ください。

2015年2月1日 

 稲瀬直彦医師(東京医科歯科大学統合呼吸器病学分野 (呼吸器内科) 教授)による講演「講演 中皮腫の免疫療法、遺伝子治療、分子標的治療」(2014年6月8日開催)の講演録が完成しました。(中皮腫・じん肺・アスベストセンターと中皮腫・アスベスト疾患患者と家族の会・関東支部が共催)ご参考ください。

2015年1月 あけまして、おめでとうございます。

 私たちは2015年も、全国の被災者の方々からの電話相談、関東や東北への出張相談、患者と家族の会の事務局活動、未来の命を救うアスベストの環境飛散の予防、調査・研究、法律プロジェクト、等の活動に邁進してまいります。皆様のご支援をよろしく申し上げます。