Voices 2017-2018
Aさんは、夫のBさんを半年前に胸膜中皮腫で亡くしました。
ご主人のBさんは、腕の良い料理人で、一時期は自身で洋食店を営んでいたときもあり、発病するまでコックとして働いていました。
胸膜中皮腫を発症したとき、Bさんには心当たりがありました。1961年(昭和36年)から1965年(昭和40年)までの約4年間、関東の機械部品製造工場で働いた際、鋳造した鉄を保温するためにアスベスト含有の保温材を使用し、自身もアスベストに包まって暖をとり休憩していたのです。
Aさんは病床のBさんに代わり、一生懸命労災の手続きを取りました。無事にBさんがご存命中に労災認定は取れたものの、その後ふとこんな思いが頭をよぎったといいます。
「夫は、仕事のせいで病気になった。夫は生前、病気になったことをとても悔しがっていたし、苦しんでいた。会社に謝罪してほしい。そして私たちのような被害者が二度と出ないようにしてほしい。」
Aさんと娘さんは、アスベストセンターに相談をくださり、その後、アスベストセンターを支援する弁護士が代理人となって、会社に慰謝料を請求、和解となりました。
労災認定されれば、治療費や休業補償といった一定の給付を受けることは出来ます。しかし、アスベスト(石綿)による病気になって感じた苦しみや悔しさ、不安といった精神的苦痛に対する「慰謝料」をもらうことは出来ません。
病気になった責任が企業にある場合、その苦しみや悔しさを「慰謝料」という形で勤め先の企業に訴えることができます。アスベストセンターでは、弁護士・医師・専門相談員が一丸となって支援します。ご相談ください。
詳しくは 勤務先企業への損害賠償請求