アスベスト飛散防止法規の効果(石綿飛散防止対策)
英国の将来予測

The Predictions by the British Government

2019年6月11日 名取所長の提言を再掲します。

英国は2017年今のような石綿規制の行政監査のレビューし公表しました。付録が1~4とついております。

一番興味深いのは今のような管理規則を厳しくやっていた場合、全くしない場合、中間の場合の3つの場合の石綿濃度を仮定、今後の被害推定をしていることです。2015年、2030年、2050年、2080年ですけれども、厳しい管理規則なら英国で中皮腫や肺がんは2080年にはほぼなくなる。

アスベスト管理規則の効果
青線:シナリオA 2016年以降も現在の規制が存続した場合
赤線:シナリオB 2016年以降中間の規制を緩めた場合
黄線:シナリオC 2016年以降アスベスト管理規則がない場合

アスベスト管理規則の効果

出典:アスベスト管理規則(2012)(S.I. 2012/632) (CAR 2012)の施行後レビュー
(Post Implementation Review : PIR) 2017年出版 HSE(英国安全衛生庁)P69 図8

しかし2015年から全く対策をやめたら、石綿ばく露は2016年からかなり上がってしまい、 改築・解体によって被害者が 2070 年から80年にピークを迎える推定をしています。中間くらいの規制「今の規制は厳しすぎるからゆるめたら」と言う人に「ゆるめたら中皮腫・ 肺がんが増えてしまうよ」という予測をイギリス厚労省がしています。

これで「きちんと今のように厳しく監視していかなければ、この発がん物質は管理できない」ということを、行政官庁の中で証明しています。

日本の2060年以降は、2019年の厚生労働省・環境省規制により大きく変ります。

(2019年11月段階の内容です)