第3回シンポジウム2004 地震とアスベスト

The 3rd Symposium 2004 Earthquake and Asbestos

シンポジウム第4部 まとめと提言

大越: 私が申し上げさせて頂くのは、『アスベストの正しい知識を高めよう』です。これは一般の方も含めまして、又、工事に携わる方も正しい知識をもって、監督官庁のほうもアスベストに対して正しい知識をより高めて頂く、ということが必要ではないかと思い、書かせて頂きました。

司会: 有難うございます。中地さんお願いします。

中地: 私は、『平時の備えあり』、です。起きてからでは遅いので、起きる前に何とかしましょう。以上です。

司会: 名取さんお願いします。

名取: 私は、『継続と協働』ということです。何か起きた時に一過性で終わるのではなく継続して問題を考え絶えず変えて行くものを作るという事と、色々な方が一緒に色々な形で協働でやっていくということが大事だと思います。

司会: 牧さんお願いします。

牧: 私からは、まず大きなキーワードとして、『情報の共有』、それから『知識から認識』へ。あと、どうしてもアスベスト飛散は防止できない場合があるということで、『自己防衛も重要』だということです。以上です。

司会: ありがとうございました。2時間位話合ってきましたが、全国で大地震の発生というのは何処でも懸念されるわけで、阪神淡路大震災だけが特殊な例ではないと思います。いつ何処で起きるか分かりません。そういう意味で、この問題というのは私達一人一人の問題ではないかと思います。

 最近、気になる事がありまして、何かというと、アテネのオリンピックでの日本人選手のメダルラッシュです。これを見ていまして、私はスーパーエリートの時代になってきたと思っています。これは企業にある意味でスポンサーになって、特別な訓練を受けて、そういう人達がメダルを次々に獲得していくと、いわゆる横並びの時代から、能力のあった人間に徹底的にお金を注ぎ込む。それによって成果を出していく。私は格差の時代を迎えたのだと思っています。やはり一般企業でも、今リストラと称して非採算部門をどんどんリストラしています。そうすると正社員はどんどん減っていきます。そして勝ち組と負け組がこれからどんどん出てきます。日本はこれから大きな格差の時代を迎える、と言われています。そういう中で、私は安全を守る、安全を享受することについても、格差がうまれるのではないかという懸念を持っています。

 そういう意味で、知らない内にアスベストに汚染され、自分の命や人生を脅かされるというのは、私はやはり許せません。おかしいのではないかと思います。そういう意味で、人間として生まれて良かったと一人一人が思えるような、そんな時代にするためにも、やはり二度と同じような被害を受けないように、みんなで努力したいと思っています。

 今日皆さんから色んな形でお話頂きましたが、やはり重要なのはアスベストが飛散したということ、アスベストは問題であるということ、アスベストの影響というのは、私達がいつその影響を受けるか分からない、そういうことを私たちがきちんと理解し受け止めることが必要なのではないかと思います。その上で、それぞれができる範囲のことをする、それが今求められているのだと思います。アスベストの影響で今も苦しんでいる人は沢山おられます。苦しみながらも自分たちと同じような目に遭わないように願っておられると思います。そういう思いを私たちは正面から受け止めて、アスベストの被害を少しでも軽減できるよう、あるいは根絶できるよう、努力していくことが大切であるように思います。今日はありがとうございました。

(当日の発表内容を、各シンポジストの方が加筆校正したものです。)

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