アスベストの補償・救済制度 よくある質問

Frequently Asked Questions

【全般的なこと】

Q:石綿(アスベスト)健康被害救済給付制度の認定を受けて療養中でも、労災申請(労働者災害補償保険への給付申請)は出来ますか。

A:救済給付(石綿(アスベスト)健康被害救済給付制度)で認められ、療養中の方でも、労災申請が出来ます。
ただし、救済給付制度と労災保険制度では、認定要件が異なりますので、詳しくは、都道府県労働局の労災補償課及び労働基準監督署にご相談いただくか、アスベストセンターにお尋ねください。

Q:既に退職していますが、在職中は石綿を取り扱う作業に従事していました。中皮腫や肺がんを発症した場合、退職後でも労災認定は受けられるのでしょうか。

A:労災保険給付を受ける権利は、退職しても変更されません。したがって、退職された後であっても、労災認定を受けることができます。
(厚生労働省 アスベスト(石綿)に関するQ&Aより引用)

Q:亡くなって10年以上経っています。生前はアスベストを取り扱う作業に従事していたことがわかっています。今からでも手続きは出来ますか。

A:仕事により肺がん(原発性)や中皮腫などのアスベスト関連疾患を発症したときは労災補償の対象となります。
労災補償を受けずにお亡くなりになり、労災保険の遺族補償給付を受ける権利が時効(5年)によって消滅していた場合であっても、石綿健康被害救済法による「特別遺族給付金」を受け取ることができます。
医学的な資料などが残っていない場合、昔のことを詳細に思い出すことが困難な場合など、もし自分たちだけでは手続きが難しいと感じたら、ぜひアスベストセンターにご相談ください。私たちが丁寧にサポートします。
補足説明 労災保険制度は、労働者の方々が、仕事(業務)や通勤が原因で負傷した場合、病気になった場合、障害が残った場合、お亡くなりになった場合に、労働者ご本人やご遺族に対して保険給付を行う制度です。現在・過去に業務上アスベストにさらされたことによりアスベスト関連疾患を発症し、そのために療養したり、休業したり、あるいはお亡くなりになった場合に、業務災害として労働基準監督署長の認定を受ければ、労災保険の給付を受けられます。
また、労災保険の遺族補償給付の支給を受ける権利が時効により消滅したご遺族の方は、石綿健康被害救済法による遺族給付金を受けることができます。

Q:アスベスト関連疾患を発症しました。仕事でアスベストを扱ったので、労災申請(労働者災害補償保険への給付申請)したいのですが、会社が倒産してもうありません。どうしたら良いでしょうか。

A:会社が倒産・廃業し現存していない場合でも、被災者の方が労災保険給付を受ける権利はなくなりません。労災申請のための準備などをアスベストセンターがサポートしますので、諦めずにご相談ください。
また、制度の詳細については、都道府県労働局の労災補償課及び労働基準監督署にご相談ください。

Q:労災申請(労働者災害補償保険への給付申請)すると会社に迷惑がかかるのではないですか?長年お世話になったのに申し訳ないのですが。

A:仕事が原因で病気になったら労災給付、というのは法律で決められた社会のルールです。
私たちは、あなたやあなたの大切な方が受けた病気の苦しみが、労災保険で補償されたからといって和らぐものではないと思っていますが、最低限の療養・生活の補償を受けることは当然の権利だと考えています。

Q:一人親方として長年働く中でアスベスト製品を取り扱い、アスベスト関連疾患を発症しました。雇用された覚えがないのですが、やはり労災申請(労働者災害補償保険への給付申請)は出来ないのでしょうか。

A:アスベストセンターの専門スタッフが、病気を発症したご本人やご家族(ご遺族)から過去をさかのぼってよくお話を伺い、必要な公的資料などを収集し確認した結果、実は雇用されていた期間があり、最終的に労災認定されたという事例が数多くあります。
諦めずにご相談ください。
また、制度の詳細については、都道府県労働局の労災補償課及び労働基準監督署にご相談ください。

【中皮腫】

Q:私は現在、中皮腫の治療を受けていますが、どこでアスベストにばく露したのかわかりません。この場合でも労災認定は受けられますか。

A:中皮腫は、アスベストばく露との関連が非常に強い疾病であり、その多くは仕事が原因であると言われています。
アスベストセンターでは、専門スタッフが、豊富な経験に基づいてこれまでの職業歴などをお聞きし、必要に応じ病院や監督署などでの手続きをお手伝いします。
一緒に原因を探ってみましょう。お困りの方は、ご相談ください。
また、制度の詳細については、都道府県労働局の労災補償課及び労働基準監督署にご相談ください。

【肺がん】

Q:私はたばこを吸っていたので、「肺がんの原因は喫煙」だと主治医から言われました。一方で、アスベストを取り扱う作業に従事していたことがあります。労災認定は受けられるのでしょうか。

A:喫煙・非喫煙にかかわらず、肺がんの労災認定基準を満たせば補償されますので、喫煙歴を気にして労災申請を諦める必要はありません。アスベストセンターではこれまで、たばこも吸い、アスベスト粉塵も吸っていた原発性肺がんの患者さんの労災認定事例を数多くサポートしてきました。
主治医や病院、監督署との難しいやり取りも含め、私たちがサポートしますので、諦める前にご相談ください。
また、制度の詳細については、都道府県労働局の労災補償課及び労働基準監督署にご相談ください。
補足説明 アスベストばく露(アスベスト粉じんを吸入すること)によって、原発性肺がんを発症することは医学的にわかっています。労災保険(労働者災害補償保険)制度では、アスベストばく露のほかに、喫煙(たばこ)やその他の原因が複合的に重なって原発性肺がんを発症した場合であっても、原発性肺がんとアスベストにばく露したことが相当の因果関係にあると医学的・ばく露歴等から判断できる場合には、「アスベスト(石綿)肺がん」として労災認定することになっています。

▷ 詳しくは、こちらをご覧ください。アスベスト(石綿)肺がんとは

医療・健康相談員の
ご紹介

事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)

お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。

尾形海子


事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)

お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。

田口正俊


委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)

母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。