損害賠償請求のQ&A
—アスベストセンターだからできることがあります—

Frequently Asked Questions about Compensation

中皮腫・肺がん・石綿肺などアスベスト(石綿)による病気の
国賠・企業賠償の手続きをアスベストセンターがご支援します。

訴訟(裁判)に関する費用や期間に関することなどお気軽にお尋ねください。

アスベスト(石綿)による病気について国や勤務先企業から賠償を受けるためには、まずは労災保険の認定を受ける、病気を証明するための医療記録を揃える、仕事の内容に関する証拠を集めるなど、訴訟(裁判)をおこす前の準備が非常に重要です。


私たちアスベストセンターは、これまで1,000件を超えるご相談を受け、多数の労災認定をご支援してまいりました。

私たちには豊富な知識と経験、実績があります。

また、アスベストセンターの所長は、中皮腫をはじめとするアスベスト関連疾患を長年診てきた呼吸器内科医であり、センターの運営委員には、関東・関西の弁護士がおりますので、医師、弁護士、さらに労災申請の専門スタッフというチーム体制で、全国各地での訴訟に対応ができます。


ご相談は、来所・電話・メール・対面いずれの方法でも無料です。

無料のメール相談は24時間受け付けております。安心してご相談ください。

Q&A

  1. 全体的なこと
  2. 国への損害賠償請求(国賠)について
  3. 企業への損害賠償請求(企業賠償)について

【全体的なこと】

Q:損害賠償請求とは。

A:「損害賠償」とは、違法な行為により損害を受けた被害者に対して、その原因を作った加害者が損害の埋め合わせをすることをいいます。
「損害賠償請求」とは、相手による不法行為などによって損害を受けたときに、その損害についての補償を求めることです。

Q:アスベストによる病気で損害賠償請求の訴訟をするにあたって、患者や家族は何をしなければならないのですか。

A:難しいと感じる証拠収集や事務手続きは、アスベストセンターを支援する弁護士が患者さんやご家族に代わって行います。
皆さんには、できる限りで構いませんので、お仕事の内容や就労当時の職場環境などについて思い出していただき、一緒に働いた仲間(同僚)をご紹介いただいたり、当時の写真・日記・手帳・記録などを探してご準備いただいたりすることをお願いしています。

Q:裁判や相手との交渉の場に出なくてはならないのでしょうか。

A:ご体調や介護、お勤めなどの都合で出席できない方や、はじめての裁判・交渉で緊張し、裁判所や交渉の場に出向くこと自体に抵抗がある方もおられると思います。裁判所への出頭や相手との交渉は、基本的には代理人弁護士が出席しますから、ご本人やご家族が裁判や交渉に出席する必要はありません。
※必要に応じて、弁護士と一緒に出席していただくこともあります。

Q:訴訟の提起から終了・解決するまで、どれくらい時間がかかりますか。

A:事案によって期間は異なります。やはり、被告(訴えられた側)が争う姿勢であれば、期間は長くなります。
しかし、泉南型国賠の場合は、国の示している要件が証拠により円滑に確認されれば、それほど長い期間をかけずとも訴訟上の和解が成立します。

Q:アスベストセンターに相談した場合の費用はいくらですか。

A:ご相談は、来所・電話・メール・対面いずれの方法でも無料です。無料のメール相談は24時間受け付けております。
継続してご相談を希望される方には、アスベストセンターの会員になっていただくことをお願いしております(個人会員の場合、会費は年間3,000円)。
また、国賠・企業賠償といった訴訟をご支援する場合は、弁護士・医師・アスベストセンター専門スタッフによる「アスベストセンター法律プロジェクト」というプロジェクトチームで対応します。
「アスベストセンター法律プロジェクト」は、これまで数々のアスベスト関連訴訟を担当してきた弁護士・医師の経験や知恵を集約し、皆さんをご支援するプロジェクトです。
このプロジェクトには、これまで私たちが支援し、勝訴・和解された方々のご寄付が生かされており、今後、訴訟を希望される方が少ない費用負担で出来る仕組みになっております。

Q:アスベスト訴訟の新聞記事やテレビ報道を見ると、顔写真などが公表されていることがあって、訴訟をためらっています。名前や顔が公表されたり、近所の人に知られたりすることはありますか。

A:アスベストセンターでは、相談者のプライバシー、個人情報の保護に十分配慮しておりますので、訴訟の情報が外に漏れたり、勝手に名前や顔写真が報道されるということは一切ありません。ご安心ください。

【国への損害賠償請求(国賠)】

Q:アスベストセンターや弁護士に依頼せずに訴訟することは出来ないのでしょうか。

A:被害者ご本人が訴訟することは可能です。ただ、訴状の作成や証拠資料の収集は、専門の知識を必要とする難しい作業です。
泉南型国賠では、国は、一定の要件を満たすことが確認された場合には和解し、損害賠償金を支払うと告知していますが、この「一定の要件を証明するのに必要な証拠」について適切に判断できる専門家や弁護士に依頼することをお勧めします。

Q:国に対して損害賠償を請求すると、労災保険金の支給を停止されたり、減額されたり、返還を求められたりしないでしょうか。

A:そのようなことは一切ありません。泉南型国賠では、厚生労働省のリーフレットに「労災保険や石綿健康被害救済法による給付を受けている方であっても対象になります。」と明記されています。ご安心ください。

Q:勤務先の企業から見舞金や弔慰金、補償金などを受け取っていた場合でも、国から賠償金を受け取ることは出来ますか。

A:泉南型国賠の場合についてお答えします。
まず、病気の種類や進行度、被害者が生存中か死亡しているかにより、国の支払う賠償金の額が異なります。 国の和解基準額は、被害者がこうむった損害(慰謝料)の半額とされています。

じん肺管理区分の管理2で合併症がない場合1100万円和解基準額550万円
管理2で合併症がある場合1400万円700万円
管理3で合併症がない場合1600万円800万円
管理3で合併症がある場合1900万円950万円
管理4、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚の場合2300万円1150万円
石綿肺(管理2・3で合併症なし)による死亡の場合2400万円1200万円
石綿肺(管理2・3で合併症あり又は管理4)、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚による死亡の場合2600万円1300万円
※実際には上記の金額のほかに弁護士費用の一部や遅延損害金が加算されます。

勤務先企業から補償金などを受領している場合、その補償金額を慰謝料及び遅延損害金に充当しても、慰謝料の残金があるときは、上記和解基準額を上限として、国に賠償を求めることが出来ます。

国から得られる賠償額の具体的な計算方法は、アスベストセンターや弁護士にお尋ねください。

建設労働者による「建設アスベスト訴訟」では、国の責任と建材メーカーの責任を認める判決が立て続けに出ており、2020年以降に最高裁判決が下されると見込まれます。

最高裁判決が下されることによって、その後の国の対応が明確になると思われますので、建設業で働き、中皮腫・肺がん・石綿肺などアスベスト関連の病気になられた方は、ぜひご相談ください。(2019年9月現在)

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Q:労災申請をしていません。労災認定を受けていけないと国の和解手続の対象にならないのでしょうか。

A:泉南型国賠では、国は労災認定を和解の条件にしていません。しかし、国の和解条件であるアスベスト工場での就労内容や病気の発症原因を調べて立証することは、労災認定を受けるために必要なこととほぼ一致します。
そのため、国の和解条件を満たすと思われる方で、まだ労災認定を受けておられない方は、先に労災認定を受けられるよう申請手続をお手伝いしています。

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Q:被害者本人がなくなっており、勤務先企業も廃業しています。国に対して損害賠償を請求できますか。

A:勤務先が廃業していても、被害者ご本人が亡くなっていても、国に対して損害賠償請求をすることは基本的に可能です。
被害者がすでにお亡くなりになっている場合は、仕事の内容や当時の就労環境などについて、ご家族もよくわからないということが多々ありますが、被害者ご本人の職歴や勤務先の事業内容等から推測し、必要となる証拠を収集し、証言を得るなどして、国との和解が成立した事案も多くあります。

まずはご相談ください。
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【企業への損害賠償請求(企業賠償)】

Q:会社に迷惑がかかりますよね?長年お世話になったので会社を訴えることに抵抗があります。でもアスベストの仕事のせいで病気になったことが悔しくてなりません。

A: もしも、あなたがすでに労災保険制度による労災認定を受けていたとしても、労災による補償給付の中にあなたの悔しさや苦しみに対する「慰謝料」は含まれていません。
私たちは、あなたやあなたの大切な方が受けた病気の苦しみが金銭によって和らぐものではないと思っていますが、あまりに大きな被害の代償として、企業にその責任を取るよう訴えることは当然の権利だと考えています。
ご支援します。一緒にがんばりましょう。

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Q:労災認定を受けていますが、企業から賠償金を受け取ることは出来ますか。

A:出来ます。 アスベストの危険性は古くから知られてきました。使用者企業には、労働者(従業員)がアスベストを吸い込んで病気にならないよう、十分な安全対策を行う義務(安全配慮義務)があります。
この義務を怠ったために従業員が病気になった場合、企業には、治療費や休業補償のほか「慰謝料」を含む損害を賠償する責任があります。
また、アスベストによる被害は、生命や健康に関わる甚大な被害ですから、高額な慰謝料が認められます。
特に「慰謝料」については、労災補償給付の中には含まれませんので、加害企業に請求しないともらうことが出来ません。労災認定を受けた方は、私たちにご相談ください。

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医療・健康相談員の
ご紹介

事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)

お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。

尾形海子


事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)

お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。

田口正俊


委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)

母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。